フランスのデザートは本当においしい
フランスのデザートは本当においしい
イギリスに住んでいて思うのが、おいしいデザートが手に入りにくい・・・
イギリスでは外食してもほとんどデザートは頼まないし、ベーカリーやカフェにいってもほとんど食べたい物がない。食べるとしたらスコーンやマフィンくらい(これはデザートに入るのか?)。カフェにはpain aux raisins(デニッシュ生地にカスタードと干しブドウをのせて焼いたもの) やシナモンロールもあるが、前者はフランスのと味が違うし、後者はアメリカのとちがって生地がふっくらしておらず、乾いてぱさぱさしている。シュークリームも味が無く、脂っこさがあって、あまりおいしいと思ったことがない。
それに比べ、フランスではおいしいデザートがそこら中にある。フランスのデザートは味が濃厚で、しかも砂糖が濃いというより、素材の味が濃厚という感じ。一つ食べたら、いい意味で「もう十分」と思わせてくれる濃厚さと満足感がある。イギリスにいるとフランスのデザートが本当に恋しくなる。フランスでは一日に一回必ず近所のパティスリーpâtisserie に行ってエクレアやタルトなどを買って食べていた。フランス語ではこういうケーキや菓子パンなどをひっくるめてガトーgâteauという。
パリにフランス人のパティシエ(菓子職人)の友達がいたが、朝4時に起きて遠いマルシェまで車で行って、新鮮な素材を取り寄せ、そして下ごしらえにかかるというとてもハードなスケジュールをこなしていた。素材に対するこだわりがとにかく凄い。焼く過程で形の崩れてしまったパンやデザートを僕によくくれたので、朝ごはんとして食べていた。
フランス語は名詞には全て性別があり、かならず男性系か女性系になる。デザートの名前も例外ではない。たとえばミルフィーユは男性で、タルトは女性になる。二つ以上頼むときは変わらないが、一つの時は男性系と女性系と数詞が変わるので注意が必要(un millefeuille / une tarte)。
でもun とuneを間違えても通じるから、心配はいらない。それよりデザートの名前の発音を正しく言う方が重要。カタカナの発音で「ブリオッシュ」や「ミルフィーユ」と言うと通じないかもしれない。とくにシュークリームは和製外来語で、正しくはchou à la crème(シュ・ア・ラ・クレム)と言う。事前に定番デザートの名前と発音をチェックしておくと注文するとき便利。
とにかく、フランスに行ったらデザートを堪能してほしい。トリップアドバイザーなどで事前にチェックしておくのもいいし、ランダムに通りがかりのお店に入ってみるのも面白いと思う。名の知られていない穴場を見つけるのも結構楽しい。アイスクリームではサン・ルイ島にあるBerthillon がおすすめ。自然素材100%で防腐剤や添加物を一切使用していないのが売り。素材の味が生かされた濃厚さで、噂どおりとてもおいしい。